人生100年時代と言われる現代において、老後の生活を安心して送り、また残されたご家族への負担を軽減するためには、早めの「終活」が非常に重要です。特に70代までに準備を始めることで、心にゆとりを持って、充実した老後を過ごすことができます。今回は、70代までに取り組むべき5つの終活について詳しくご紹介いたします。
1. 身辺整理と断捨離で生活空間と心を整える
加齢とともに増えていく衣類や書籍、趣味の品、思い出の品などは、知らず知らずのうちに生活空間を圧迫してしまうことがあります。70代までに身辺整理や断捨離を行うことは、安全な生活動線を確保し、転倒などのリスクを減らすことにつながります。また、本当に大切なものだけを残すことで、懐かしい記憶を呼び起こす機会が増え、心のゆとりも生まれます。物理的な整理だけでなく、不要なものを手放すことで、ご家族が将来的に片付けに費やす時間や労力を大幅に減らすことにもなります。
2. 財産状況の確認と資産整理で将来の不安を解消する
ご自身の財産が現在どのような状態にあるのかを正確に把握することは、終活の第一歩です。銀行口座、加入している保険、所有する不動産、そしてローンや借金など、すべての財産を一覧にして可視化することから始めましょう。使っていない銀行口座や不要な保険契約は解約し、生前贈与や売却によって現金化できるものは早めに整理しておくことをお勧めします。また、通帳や印鑑、権利証といった重要書類の保管場所を明確にし、エンディングノートに記載しておくことで、万が一の際に相続時の混乱を未然に防ぐことができます。
3. 医療・介護・後見契約の準備で意思を明確にする
認知症や疾病などにより、ご自身の意思を明確に表示することが困難になる場合に備え、事前の準備が不可欠です。任意後見契約を締結し、信頼できる方に将来の財産管理や身上監護を委ねる準備を進めましょう。医療や介護に関するご自身の意向を記した意向書を公正証書で作成しておくことも大切です。これにより、ご自身の希望に沿った医療や介護を受けることが可能になります。信頼できる後見人を選任しておくことで、銀行手続きや施設への入所時の身元引受人としての役割を安心して任せることができます。
4. エンディングノートと遺言書の作成で想いを伝える
ご自身の人生を振り返り、ご家族への感謝の気持ちや、葬儀・納骨に関する具体的な希望、そして資産目録などを記すエンディングノートの作成は、ご家族への大切なメッセージとなります。エンディングノートには法的な効力はありませんが、ご自身の想いを伝える上で非常に有効です。一方で、法的な効力を持つ遺言書も必ず作成しましょう。自筆証書遺言と公正証書遺言のどちらを選ぶか、ご自身の状況に合わせて検討し、遺族間の相続トラブルを未然に防ぐための準備を進めることが重要です。
5. 葬儀方法とお墓の選定でご家族の負担を軽減する
ご自身の葬儀形式（家族葬、直葬、生前葬など）や、墓地・霊園の立地、デザインなどを生前に決定しておくことは、残されたご家族が葬儀や供養の準備で迷うことなく手続きを進めるために非常に役立ちます。また、生前にお墓を選定し、購入することで、節税効果を享受できる場合もあります。ご自身の希望を具体的にしておくことで、ご家族は安心して故人の意向に沿った形で送り出すことができます。
まとめ
上記でご紹介した5つの終活は、いずれも時間と手間を要するものです。しかし、これらの準備を70代までに着手し、計画的に進めることで、人生100年時代を安心して生き抜き、ご家族への負担を軽減することができます。充実した老後を送り、そして円滑な相続・葬送を実現するために、ぜひ早めの終活を始めてみてはいかがでしょうか。
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