ファイナンシャルプランナーの原口です。終活についてです。
「終活」と聞くと、少し重いイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれません。しかし、終活は決して「死への準備」だけを意味するものではありません。むしろ、残りの人生をより自分らしく、そして心穏やかに生きるための前向きな活動なのです。早めに取り組むことで、将来への漠然とした不安や、大切な家族への負担を減らし、自分自身と家族に安心と笑顔をもたらすことができます。
終活とは?未来を豊かにする活動の真意
終活とは、「人生の終わりのための活動」を略した言葉です。かつては「死の準備」という側面が強かったかもしれませんが、近年ではその意味合いが大きく変わってきています。
終活の主な目的は、残された時間を充実させること、死への不安を解消すること、そして何よりも家族への負担やトラブルを減らすことです。また、ご自身の最期の希望を家族と共有することで、お互いの理解を深め、より良い関係を築くことにもつながります。これは、まさにご自身の人生を総括し、未来をより豊かにするための活動と言えるでしょう。
なぜ「怖くない」のか?心と家族への安心
終活が「怖くない」と言われるのには、いくつかの理由があります。
心の安心感を得られます
「いつか来る最期」への漠然とした不安は、誰しもが抱えるものです。終活を通じて、その不安を具体的に見つめ、対策を立てることで、心理的な安心感を得ることができます。ご自身の意志を明確な形にすることで、死後の混乱を避け、心穏やかに日々を過ごせるようになります。
家族への優しさを形にできます
ご自身が亡くなった後、残された家族は悲しみに暮れる中で、葬儀の手続きや財産相続といった煩雑な手続きに直面することになります。エンディングノートに葬儀社選びの希望、保険や口座情報、遺産分割の方針などをまとめておくことで、遺された家族の負担を大幅に軽減することができます。これにより、家族は大切な人を偲ぶ時間を十分に確保できるようになります。
人生を振り返り、豊かに生きるきっかけになります
終活は、過去を振り返り、これまでの人生で「やり残したこと」や「これから挑戦したいこと」をリストアップする良い機会でもあります。この作業を通じて、残りの人生をより意義深いものにするための具体的な目標を見つけることができます。趣味の再開や旅行の計画など、前向きな活動へとつながるきっかけとなることが、終活の大きな魅力の一つです。
人生を輝かせる終活の具体的なステップ
終活は、一度に全てを完璧にこなす必要はありません。ご自身のペースで、一つずつ進めていくことが大切です。
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自分史の振り返り これまでの人生を振り返り、思い出や達成したこと、そして「やり残したこと」を洗い出します。これは心の整理につながり、今後の目標設定にも役立ちます。
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資産・契約の整理 預貯金、不動産、保険、借入金など、ご自身の全ての資産と契約を把握します。不要な口座の解約や、遺産目録の作成もこの段階で行います。
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医療・介護の意思表示 延命治療に対する希望や、将来の介護方針について文書化します。これは、万が一の際に家族や医療機関がご自身の意思を尊重するための重要な情報となります。
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葬儀・お墓の準備 ご自身の希望する葬儀の形式や規模、費用について検討し、可能であれば生前予約も検討します。これらをエンディングノートに具体的に記載しておくと良いでしょう。
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遺言書・エンディングノート作成 法的な効力を持つ遺言書と、自由に記述できるエンディングノートを作成します。特に遺言書は専門家(司法書士や終活カウンセラーなど)に相談しながら作成することをおすすめします。
終活を始める最適なタイミングと進め方のヒント
終活を始めるのに「遅すぎる」ということはありませんが、「早すぎる」ということもありません。
思い立ったときが最適です
年齢やライフイベントに関係なく、終活に関心を持った瞬間から始めるのが最適なタイミングです。少しでも気になったら、まずは情報収集から始めてみましょう。
小さな一歩から始めてみましょう
いきなり全てを完璧にしようとすると、負担に感じてしまうかもしれません。まずは「やりたいことリスト」を紙に書き出すなど、小さな一歩から始めてみてください。
家族と一緒に進めるのもおすすめです
親御さんやパートナーと終活について対話しながら進めることで、お互いの考えを理解し、より深い安心感を得ることができます。オープンなコミュニケーションを心がけましょう。
終活は未来の自分と家族への最高の贈り物
終活は、「怖い」「暗い」といったネガティブなイメージを持たれがちですが、実際には自分自身と、そして大切な家族への最大の優しさの形です。
ご自身の想いをきちんと見つめ、残された時間を前向きに生き、大切な人に負担をかけない準備をすること。これらを通じて得られる心の安心感こそが、終活の本質です。未来の自分と家族への“やさしさ”を、今日から始めてみませんか。
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