こんにちは。FP原口です。今日は終活の基本について考えていきたいと思います。
終活は「人生の最終章を自分らしく過ごすための準備」です。しかし、何から手をつけていいかわからず、後回しになってしまう人も多いです。ここでは、初心者の方でも迷わず進められるように、今日からできる順番や必要書類、家族への伝え方まで、やさしく解説します。
終活の目的と全体像
終活の目的は、自分の希望を明確にし、家族の負担を減らし、資産や情報を整理することです。優先順位は以下の通りです。
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緊急連絡先と医療意思の共有
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お金や重要書類の所在を一覧化
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デジタル資産の整理
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住まい・介護・葬送の希望を記録
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遺言や保険の見直し
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情報の共有・保管・更新
今日から始められる7日間ミニプラン
忙しい方でも1日15〜30分で進められるミニプランを紹介します。
1日目|緊急連絡カード作成
氏名、血液型、既往症、服薬内容、主治医、家族の電話番号、保険証の場所を紙1枚にまとめ、財布や冷蔵庫に保管します。
2日目|医療・介護の希望メモ
延命措置や嫌な治療、代理判断者を短文で記録し、家族1人に口頭で伝えます。
3日目|資産と支払いの所在メモ
銀行や証券の支店名、年金の種類、保険会社名、公共料金や税金の支払い口座を記載します。
4日目|重要書類の仮集約
年金、保険証券、不動産権利証、マイナンバーのコピーなどを1か所に集め、箱の外に中身リストを貼ります。
5日目|デジタル資産整理
主要なIDとパスワード、回復用連絡先を家族が分かるようにします。
6日目|葬送の希望メモ
葬儀の規模や宗派、遺影用の写真場所、連絡したい人のリストを作ります。
7日目|保管場所と更新日設定
保管場所や合鍵の所在を共有し、半年後の更新日をカレンダーに記入します。
必要書類と制度の基礎知識
終活でよく使われる書類や制度について、簡単に押さえておきましょう。
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エンディングノート:法的効力はありませんが、意思を伝えるために有効です。
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遺言書:財産分けには法的効力のある遺言が必要です。相続人が複数なら公正証書遺言が安心です。
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任意後見契約:判断能力が低下した際に備える契約です。
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医療・介護の意思表示書:延命や治療方針、代理人を記載します。
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重要書類の保管方法:耐火箱やクラウド保管、原本とコピーの分別が重要です。
家族への上手な伝え方
終活の話題は重くなりがちです。切り出し方がポイントです。
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「迷惑をかけない準備を10分だけ一緒にやってほしい」と短時間を提案
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最初は緊急連絡カードだけ作るなど小さな合意から始める
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一度にすべて終わらせようとしない
最小限のチェックリスト
身分・健康
健康保険証、お薬手帳、かかりつけ医の連絡先
お金
銀行・証券口座の所在、年金書類、保険証券
不動産
権利証や固定資産税通知書
税・公共料金
納税通知、水道・電気・ガス・通信契約
デジタル
主要IDの回復用連絡先、スマホ解除方法
人脈
連絡したい人5〜10名
まとめ
終活は完璧を目指す必要はありません。まずは「緊急連絡カード」「医療希望メモ」「資産所在メモ」の3点セットから始めましょう。そして半年ごとに少しずつ更新していくことで、家族にも自分にも安心な終活が実現できます。


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