シニア世代の「食費節約術」|月5,000円ムダを減らすコツ

シニア世代の「食費節約術」|月5,000円ムダを減らすコツ 節約
シニア世代の「食費節約術」|月5,000円ムダを減らすコツ

食費は支出の大きなものになっています。そこで食費を無駄について考えていきます。

高齢の一人暮らしや夫婦世帯では、毎月の食費が平均3.6万~5万円と家計の約2割を占めると言われています。年金生活で収支がギリギリのご家庭も多い中、月に5,000円の食費節約は家計に大きなゆとりを生み出すことでしょう。それでいて健康を維持することが何よりも大切です。本記事では、無理なく健康的に食費を抑える具体的なコツをご紹介します。

1. 食材選びと購入方法で賢く節約する

日々の買い物の工夫で、無駄遣いを減らし大幅な節約が可能です。特に買い物前の計画と賢い食材選びが重要になります。

買い物は計画的に少ない頻度で
買い物の回数を減らし、お店に行く前に買い物リストを作成しましょう。冷蔵庫や食品棚の在庫を確認し、必要な物だけを書き出すことで、重複買いや衝動買いを防げます。週に1~2回程度のまとめ買いを目安にすると、余計な立ち寄りによる無駄遣いが減ります。

特売日・シニア割引をフル活用
スーパーの特売日に合わせてまとめ買いすれば確実に節約できます。また、多くのスーパーで「シニアデー」や「〇歳以上〇%引き」といったサービスがあります。例えば「毎週〇曜日は60歳以上5%オフ」「65歳以上はポイント2倍」などの制度を利用すれば、月に数千円節約できることもあります。店舗によっては専用の会員証やアプリが必要な場合もありますので、事前に確認しましょう。地域によっては自治体発行の高齢者向け割引カードが使える場合もあります。

プライベートブランド商品や大容量サイズを活用
メーカー品にこだわらず、スーパーの自社ブランド商品(PB商品)を試してみましょう。質は十分で価格が割安なものが多く、日用品や食料品のコストダウンにつながります。また、米や乾物、冷凍食品など日持ちするものは特売時に大容量パックで買うと単価が安くなります。ただし、生鮮食品の大量購入は使い切れずロスになる恐れがあるため、冷凍保存の計画や友人と分け合う工夫をしてください。

旬の食材・地元産の活用
旬の野菜や果物は値段が安定しており、栄養価も高いのでコストパフォーマンスが抜群です。例えば、春はキャベツ、新じゃがいも、夏はナス・オクラ、秋はサツマイモ・キノコ類、冬は大根・白菜などが安くて美味しい食材です。旬の食材ならまとめ買いして保存もしやすいでしょう。また、地域の直売所を利用すれば新鮮な地元産がスーパーより割安で手に入る場合もあります。

安くて栄養価の高い食材を選ぶ
節約中でも栄養を疎かにしないことが大切です。高齢者に特に必要なたんぱく質やカルシウムを安価に補える食材を積極的に活用しましょう。例えば、卵・豆腐・納豆・ちりめんじゃこ・鶏むね肉・季節の魚などは安価で良質なたんぱく源です。実際、納豆と卵の朝食は低コストで高栄養なメニューの一例です。他にも、もやしや豆類、季節野菜はビタミンや食物繊維が豊富で価格も安い優秀食材です。

2. 手間を減らして健康的に自炊するテクニック

自炊は食費節約に直結しますが、毎日の調理が負担になっては続きません。そこで、調理の手間を減らしつつ栄養バランスを保つ工夫をご紹介します。

献立の作り置きとリメイク
時間に余裕のある日にまとめて調理(作り置き)し、小分け冷凍や冷蔵で保存しましょう。例えば、大鍋で野菜たっぷりのスープや煮物を作り数日分ストックしておけば、忙しい日も温めるだけで一品完成します。余ったおかずは翌日に形を変えて出すなどリメイクすれば飽きずに食べきれます。半端に残った野菜や豆腐は味噌汁や炒め物に全部入れてしまう「残り物一掃メニュー」にするのも一案です。

冷凍保存を駆使して時短&ロス削減
食材は痛む前に早めに冷凍しておきましょう。例えば、人参やピーマンなどは使いやすい大きさに刻んで冷凍し、必要な分だけ使えば下ごしらえの手間も省けます。ご飯も多めに炊いて小分け冷凍すれば、少量ずつ解凍して無駄なく使えます。高齢者世帯では「野菜を腐らせて捨ててしまう」ことがよくありますが、冷凍保存を習慣にすれば食品ロスと調理時間の大幅カットにつながります。

電子レンジや調理家電の活用
電子レンジ対応のレシピや電気調理鍋(スロークッカー、電気圧力鍋など)を活用すると、火加減の見張り不要で調理できます。例えば、耐熱容器に野菜と肉・調味料を入れてチンするだけの蒸し料理や煮物、炊飯器で作るスープや炊き込みご飯など、放っておける調理法を取り入れて体力的な負担を減らしましょう。特に煮込み料理は保温調理鍋に材料を入れておくだけで柔らかく仕上がり、高齢者にも食べやすく栄養もしっかり摂れます。

簡単で栄養バランスの良いメニュー
手間を省く代わりに栄養が偏っては本末転倒です。一品で野菜もタンパク質も摂れる料理を取り入れましょう。例えば、具だくさん味噌汁・豚汁、野菜と肉魚を入れた鍋物、豆腐や卵を使った煮物などは調理も簡単で栄養バランスも優秀です。味噌汁にキャベツや人参など残り野菜を入れ、お豆腐や油揚げを足せばそれだけで立派なおかずになります。また、噛む力が弱い方でも食べやすいよう、具材を小さめに切ったり柔らかく煮込む工夫をすると良いでしょう。

調理済み食品もうまく利用
自炊にこだわり過ぎず、市販の下ごしらえ済み食材や惣菜も活用しましょう。ただし、塩分や油分が多いものがあるため、サラダや汁物を自作して栄養バランスを補うのがおすすめです。例えば、スーパーの焼き魚や煮物を買ってきて、家では温野菜やお味噌汁を用意すれば、調理の手間を省きつつ栄養バランスも確保できます。冷凍カット野菜や湯煎するだけの真空パック惣菜なども上手に取り入れ、「全部手作りしなきゃ」という思い込みを捨てて継続しやすい自炊スタイルを目指しましょう。

3. 外食や出来合い食品(中食)と上手に付き合う

外食や中食(惣菜・お弁当など購入して食べる食事)もうまく取り入れつつ、頻度や選び方を工夫すれば節約と健康の両立が可能です。基本は自炊中心が望ましいですが、無理のない範囲でバランスを取ることが大切です。

外食の頻度を見直す
高齢になると「料理が面倒でつい外食が増える」という方もいらっしゃいます。しかし、外食は1食あたり約800~1,000円と割高で、しかも塩分・脂肪が多く栄養バランスが偏りがちです。毎日ランチを外食すると月2万円近くかかります。一方で、自炊やお弁当なら1食あたり数百円程度に抑えられます。例えば、外食の週を2回減らすだけでも、5,000円以上の節約につながるでしょう。

宅配弁当サービスの活用
料理をする気力が湧かないときは、高齢者向け宅配弁当の利用も検討しましょう。近年は生協(コープ)や民間各社がシニア向けの配食サービスに参入し、栄養バランスの取れた日替わり弁当を自宅まで届けてくれます。料金は1食あたり約390~700円程度で、外食より安上がりです。

食事スタイル

1食あたりの目安費用

月20食の場合の費用

月額差額の目安

外食(ランチ)

約800~1,000円

約16,000~20,000円

宅配弁当サービス

約390~700円

約7,800~14,000円

最大約12,000円節約

表 外食と宅配弁当の費用比較(概算)

宅配弁当は管理栄養士監修で塩分や栄養に配慮されたメニューが多く、配達員が安否確認も兼ねて声掛けしてくれるサービスもあります。毎日届くので食費が一定に保てるメリットもあります。外出する機会が減らないよう、週〇回だけ利用するなど頻度を決めて取り入れると良いでしょう。

外食するならお得&健康志向で
たまの外食は生活の楽しみでもあり、完全にやめる必要はありません。「月〇回まで」とルールを決めた上で、ランチタイムやシニア割引のあるお店を選ぶと出費を抑えられます。例えば、ファミリーレストランではシニア向けの割安メニューやドリンクバー割引がある場合があります。マクドナルドでも店舗によりますがシニア限定クーポンやコーヒー割引を実施していることがあります。新聞の折込チラシや店舗のホームページでシニア優待情報をチェックしてみましょう。健康面では、サラダや汁物が付く定食スタイルの店を選んだり、塩分控えめメニューを心がけると安心です。

中食(お惣菜・お弁当)を賢く利用
スーパーやコンビニのお惣菜・お弁当も上手に利用すれば自炊と両立できます。半額シールの時間帯を狙えば高コスパですが、揚げ物や味付けの濃い総菜ばかりでは健康によくありません。購入する際は、ひじき煮や白和えなどの野菜系のお惣菜を選び、不足しがちな野菜を補うよう意識しましょう。また、市販弁当を主菜として自宅で副菜を一品用意すれば、塩分や野菜不足を補えます。「ご飯だけ炊いて、おかずは買う」「主菜(焼き魚など)は買って、副菜と汁物は手作りする」といった形で自炊+中食の組み合わせにすると、全部外食より安く済み栄養バランスも改善します。

4. 無駄な出費を防ぐ家計管理・食品管理の工夫

普段から家計簿や在庫を管理しておくことで、食費の無駄遣いや食品ロスを防げます。ちょっとした習慣化で大きな節約効果が期待できます。

簡単な家計簿をつける
毎月の食費がいくらか把握できていない場合、ノートやアプリで食費の家計簿を始めてみましょう。最近はレシートを撮影するだけで記録できるアプリや、銀行・カードと連携して自動集計できる家計管理アプリも多数あります。記録を付けると「コンビニで無駄な買い物をしている」「惣菜に頼りすぎている」など出費の傾向が見えてきます。まずは食費が収入に対して高すぎないかチェックし、目標を「毎月〇円以内」など具体的に設定してみましょう。

買い物前の在庫チェック徹底
冷蔵庫や食品棚の中身を常に把握しておくことが大切です。買い物前に在庫確認を習慣にし、「まだ十分あるもの」「無くなりそうなもの」をチェックしましょう。近年では食品の賞味期限や在庫を管理できるスマホアプリも登場しており、バーコード読み取りで期限が近い食品を通知してくれます。そうしたツールを使えば「気づいたら期限切れで捨てた」という事態を減らせます。スマホが苦手な場合でも、冷蔵庫に付箋やホワイトボードで在庫メモを貼るだけでも効果的です。

買い物リストで重複買い防止
出先で「あれ、家にあったっけ?」と不安になり同じものを買ってしまうミスを防ぐため、買い物リストは必ず持参しましょう。記憶に頼らずメモを見ることで不要な買い物を防げます。アプリによっては前回買ったものの記録を一覧できるので、「家にまだあったのにまた同じ物を買った」といった二重購入を防ぐ助けになります。シンプルなメモ帳でも構いませんので、「必要な物以外買わない」習慣づけをしましょう。

食品ロスを出さない工夫
買った食材は使い切るのが鉄則です。特に野菜は余らせて傷みやすいので、適量を買うか早めに調理して保存します。余った食材は前述のとおりスープや炒め物に全部入れてしまう、刻んで冷凍しておくなどして捨てずに活用しましょう。どうしても使い道が浮かばない食材は、インターネットで「〇〇 レシピ 余り」で検索すると活用法が見つかります。また、献立を立てる際に1~2日以内に傷みそうな物から優先的に使うクセをつけるのも有効です。食品ロスを減らせばその分まるごと節約になります。

ポイント活用と買い過ぎ防止策
スーパーのポイントカードや電子マネーはポイント還元や会員特価を享受できるので活用しましょう。Tポイントや楽天ポイントなど共通ポイント対応店なら、貯めたポイントを食料品購入に当てることもできます。また、買い過ぎ防止には現金より電子マネーやプリペイドカードが有効です。あらかじめチャージ金額を決めておけば、その範囲内で買い物を済ませるよう意識できます。買い物後はレシートを見直し、「特売でも不要な物は買っていないか」「予定外の出費はなかったか」を確認する習慣をつければ完璧です。

5. シニア向け支援サービス・制度の活用

日本国内には、高齢者の食生活を支援するさまざまな制度やサービスがあります。これらを上手に利用することで、健康面の安心と食費節約の一石二鳥を図れます。

自治体の高齢者向け配食サービス
各自治体では、65歳以上のひとり暮らし高齢者や高齢夫婦世帯を対象にした配食サービス(食事の宅配事業)を実施している場合があります。加齢や身体の不自由で買い物や調理が困難な方に対し、管理栄養士監修のバランス弁当を定期的に届ける仕組みで、低栄養の予防や安否確認(見守り)も兼ねた支援策です。料金は自治体や収入によって異なりますが、1食数百円程度の自己負担で利用できるケースが多く、経済的にも助かります。お住まいの市区町村の高齢福祉担当窓口に問い合わせれば、利用条件や申し込み方法を教えてもらえます。

民間・生協の高齢者食事サービス
前述の宅配弁当サービスは自治体以外にも各種あります。生協の夕食宅配や、民間企業が展開する高齢者向け宅配弁当は、利用者の健康状態に配慮したメニューを届けてくれます。自治体のサービスと違い所得制限なく利用できますが、費用は自己負担です。ただし、定期利用で割引があったり、ご飯無しでおかずだけ注文して主食は自宅で用意することで費用調整もできます。これらを活用すれば買い物に行けない日も安全な食事を確保でき、結果的に医療費の節約や健康寿命の延伸にもつながるでしょう。

地域のシニア食堂・交流食事会
各地で増えている「シニア食堂」もおすすめです。シニア食堂は子ども食堂の高齢者版ともいえる取り組みで、低価格(時には無料)で栄養バランスの良い食事を提供し、高齢者の孤食を防ぐ場となっています。例えば、東京都大田区の「おたがいさま食堂」では、毎週木曜に地元ボランティアが運営する食堂で一食300円という安価な定食が提供されます。地域のスーパーや農家から寄贈された食材を使っており、食後には折り紙教室や体操イベントも開催されるなど、食事と交流を楽しめる場になっています。自治体もこうした地域食堂の開催を支援しており、都内でも補助制度を設ける自治体が増えています。近所にシニア食堂やサロンがないか、市役所や地域包括支援センターに問い合わせてみましょう。

シニア向け割引制度の活用
買い物以外にも、外食産業や娯楽施設でシニア割引を設けているところがあります。ファミリーレストランやファストフードでシニアメニュー・割引料金が設定されている場合や、映画館、美術館などで60歳以上割引が効くケースもあります。遠慮せず該当する割引は積極的に利用しましょう。自治体によっては高齢者手帳の提示で公共施設の食堂が割安になる、といったサービスも存在します。日頃から地域の広報紙やシニア向け情報誌をチェックし、お得な制度を見逃さないことが大切です。

その他の地域サポート
買い物や調理が難しい高齢者に対して、ボランティアによる買い物代行や食事会への送迎などを行うNPO・地域包括支援もあります。自治体の高齢者支援サービス一覧などに掲載されていることが多いので、一度確認してみてください。例えば、「〇〇市高齢者サポートセンター」では買い物支援サービスを格安で提供している、といった例があります。地域ぐるみの支え合いを活用することで、安全に食生活を維持しながら無理なく節約を続けていけるでしょう。

まとめ

ここまで、シニア世代が月5,000円の食費節約を達成するための具体策をご紹介しました。計画的な買い物と無理のない自炊を基本に、外部サービスや割引制度も上手に取り入れることで、節約と健康維持は両立できます。

日々の小さな工夫の積み重ねが年間では大きな節約額となり、家計の安心感につながります。ぜひできることから実践してみてください。その際、ご紹介した公的サービスや周囲のサポートも積極的に頼りながら、無理なく楽しく続けていきましょう。

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