固定費の電気・ガス代について考えていこうと思います。
60代以降の生活では、年金生活に入るなど収入が変化するため、家計の中でも特に光熱費が大きな負担となることがあります。電気代やガス代は毎日の生活に欠かせないものですが、少しの工夫と賢い選択で、これらの費用を大幅に削減することが可能です。
この記事では、「省エネ家電への切り替え」、「断熱・保温対策」、「再生可能エネルギーの利用」といったエコな節約術をご紹介いたします。これらの方法を取り入れることで、年間数千円単位での電気・ガス代削減が期待できます。快適な生活を維持しながら、賢く光熱費を抑えるための具体的なステップを見ていきましょう。
現状の電気・ガス代を把握しましょう
まず、ご自身の家庭の光熱費がどれくらいか、一般的な平均と比較してみましょう。一般的な2人暮らし世帯の月平均電気代とガス代は以下の通りです。
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電気代 約10,940円(2人暮らしの平均です)
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ガス代 約4,527円(世帯全体の平均です)
これらを合計すると、1ヶ月あたり約15,467円となり、年間では約185,604円にもなります。この金額は、家計にとって決して小さな負担ではありません。現状を把握することが、節約の第一歩となります。
光熱費が増え続ける主な理由とは
なぜ、私たちの光熱費は増え続けているのでしょうか。主な原因はいくつかあります。
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燃料費調整額の上昇 天然ガスやLNG(液化天然ガス)などの国際価格の変動が、電気料金やガス料金に「燃料費調整額」や「原料費調整額」として毎月反映され、料金が変動しています。
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再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)の増加 再生可能エネルギーの普及を促進するための費用である「再エネ賦課金」も、年々増加しており、これも電気料金上昇の一因となっています。
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断熱性・省エネ性能の低い住宅設備 古い家屋や長年使用している家電製品は、熱損失や電力消費が大きくなる傾向にあります。特に冷暖房効率が悪くなることで、無駄なエネルギーを使うことにつながっています。
60代から始めるエコ節約の具体的な方法
光熱費を抑えるためには、日々の意識と具体的な行動が重要です。ここでは、60代からでも無理なく始められるエコ節約術をご紹介します。
省エネ家電への賢い切り替え
まず、家庭で消費する電力の大部分を占める冷蔵庫やエアコンといった家電製品を見直すことが効果的です。
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高効率モデルの選定 家電製品を選ぶ際には、省エネ基準達成率の高い**「★★★★(星4つ)」**モデルを選ぶことをお勧めします。初期費用はかかりますが、長期的に見れば電気代の削減で元が取れる場合が多いです。
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待機電力のカット テレビやパソコン、充電器など、使っていない時でも電力を消費する「待機電力」を見過ごしてはいけません。スイッチ付きの電源タップを活用することで、不要な待機電力を手軽にゼロにできます。
住まいの断熱・保温対策で快適に
次に、住まい自体の熱効率を高める工夫です。
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窓からの熱の出入りを防ぐ 夏は外の熱が入り込み、冬は室内の熱が逃げやすい窓に注目しましょう。断熱シートや厚手のカーテンを設置することで、熱の侵入や流出を大幅に抑制し、冷暖房の効率を上げることができます。
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給湯熱の損失を減らす 給湯配管や湯沸かし器に保温材を巻くことで、お湯を沸かす際の熱の損失を軽減できます。これにより、無駄なガス代や電気代の発生を防ぐことができます。
再生可能エネルギーを生活に取り入れる
少し規模の大きな取り組みになりますが、再生可能エネルギーの活用も視野に入れてみましょう。
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小型太陽光発電の導入 マンションのベランダなどにも設置できる小型の太陽光発電システムがあります。これらを導入することで、自宅で電気を創り出し、電気代の削減に貢献できます。
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電力会社プランの見直し お住まいの地域で利用できる電力会社のプランを「グリーンプラン」など、再生可能エネルギー比率の高いプランに切り替えることも検討してみてください。環境にも優しく、家計にもメリットがある場合があります。
日々の生活習慣を見直すシンプル節約術
最後に、毎日のちょっとした心がけでできる節約術です。
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エアコンの設定温度を見直す 夏場のエアコンは設定温度を28℃に、冬場は20℃に設定することが推奨されています。無理のない範囲で、快適に過ごせる設定温度を見つけてください。
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お風呂とシャワーの工夫 お風呂の追い焚き回数を減らしたり、シャワーヘッドを節水タイプに交換したりすることも有効です。シャワーを流しっぱなしにせず、こまめに止める意識も大切です。
エコ節約でどれくらい安くなる?導入効果の試算例
ご紹介したエコ節約術を実践することで、具体的にどれくらいの節約効果が見込めるのでしょうか。電気代とガス代ともに年間で5%の削減を達成できた場合の試算を見てみましょう。
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項目 |
削減前(年間) |
削減率 |
削減後(年間) |
|---|---|---|---|
|
電気代 |
131,280円 |
5% |
124,716円 |
|
ガス代 |
54,324円 |
5% |
51,608円 |
|
合計 |
185,604円 |
176,324円 |
この試算例では、年間で約9,280円もの光熱費を節約できることになります。これは決して少ない金額ではありませんし、長年続けることで大きな貯蓄につながります。
今日から実践 快適で経済的なエコライフへの推奨アクション
エコ節約生活の実現には、「初期投資」と「日々の工夫」という両輪が重要です。どちらか一方だけでなく、両方をバランス良く取り入れることで、より大きな効果が期待できます。
今すぐできること
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使っていない家電の待機電力をオフにする
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窓に断熱シートを貼る
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エアコンの設定温度を見直す
中長期的な投資
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古い家電を省エネ家電に買い替える
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ベランダに小型太陽光発電を導入する
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再生可能エネルギー比率の高い電力プランへ契約を切り替える
これらのアクションを実践することで、60代からの生活を快適に、そして経済的に送ることが可能になります。環境にも優しく、お財布にも優しいエコライフを今日から始めてみませんか。
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