60代からの「お金の使い方」見直しで後悔しないポイント

60代からの「お金の使い方」見直し 備え
60代からの「お金の使い方」見直し

60代は、人生の転機ともいえる大切な時期です。現役を引退した後は、これまでのように収入を増やすことが難しくなります。そんな中で「お金の使い方」を見直すことは、これからの人生を安心して過ごすための重要なステップです。

老後生活の質は、60代での選択によって大きく変わります。収入が限られてくるからこそ、無駄な支出を見極め、計画的に資産を活用することが不可欠です。この記事では、老後に備えたお金の使い方の見直しポイントを、6つの分野に分けて網羅的に解説します。


1. 現状の資産を正確に把握して分類する

まず最初に行うべきは、自分の資産の棚卸しです。預貯金、退職金、不動産、株式、保険など、すべての資産をリストアップし、現状を把握しましょう。

次に、資産の「流動性」、つまり現金化のしやすさを確認します。すぐに使える資金と、時間や手続きが必要な資産を分けて管理することで、万が一の際にも柔軟に対応できます。

お金を以下の3つに分類すると管理がしやすくなります。

  • 生活費としてすぐに使うお金

  • 近い将来の出費に備えるお金(リフォーム・旅行など)

  • 長期的に保有し、運用も視野に入れるお金

このようにお金を色分けすることで、目的に応じた効率的な資金計画が立てやすくなります。


2. 年金と働き方を見直して収入の安定化を図る

年金は60代以降の収入の柱になりますが、受給開始の時期を繰り下げることで受給額が増加します。例えば、70歳まで繰り下げると、65歳開始と比べて42%も受給額がアップします。

一方で、無理のない範囲で働き続けることも、収入の安定化に有効です。週に数日だけの仕事や、地域のボランティア的な仕事、在宅でできる副業など、自分に合った働き方を検討してみましょう。

また、企業年金や私的年金がある方は、受け取り方法やタイミングによる税金や社会保険料への影響も確認しておきましょう。


3. 支出全体を見直し、特に固定費の最適化を進める

60代からは、毎月の支出を減らすことが資産を守る鍵になります。現役時代と比べて、支出はおよそ7割程度が理想とされており、夫婦2人で月25〜27万円が目安です。

特に注目すべきは、保険料・通信費・住居費といった固定費です。

  • 保険料:過剰な保障を見直し、シンプルな保障内容へ。

  • 通信費:格安スマホやプラン変更で数千円節約可能。

  • 住居費:持ち家のローン見直しや、公営住宅・家賃の安い地域への住み替えも視野に入れましょう。

光熱費も節約の余地があります。省エネ家電への切り替えや契約プランの見直しで、年間数万円の節約が期待できます。

また、食費は自炊を習慣化し、まとめ買いや食材の冷凍保存を活用することで、浪費を防ぎましょう。


4. 医療・介護への備えで将来の不安を軽減する

高齢になるほど、医療・介護の支出は避けられません。平均寿命と健康寿命の差(男性約8年、女性約11年)を意識し、その期間の支出を準備しておくことが大切です。

在宅介護では月数万円、施設介護では月10万〜20万円以上かかるケースもあります。介護用ベッドやリフォーム費用など一時的な支出も含めて、備えを万全にしておきましょう。

医療費対策としては、高額療養費制度の活用や、公的介護保険制度の理解も不可欠です。また、貯蓄や必要に応じた保険加入によって、家計の急変に備えておくことも重要です。


5. 資産運用と保険の見直しで長期的な安心を築く

インフレによって資産の実質的な価値は年々目減りする可能性があります。そのため、預金だけに頼らず、リスクを抑えた分散投資を取り入れましょう。

投資信託やNISA、iDeCoなどを活用すれば、少額でも長期・分散・積立が可能で、税制面でもメリットがあります。

また、保険の見直しも欠かせません。死亡保険は、葬儀費用や相続対策として有効ですが、必要以上の保障や特約はコストの無駄になります。保障内容と必要額を見極め、適切な保険に整理しましょう。

医療保険についても、貯蓄が十分であれば解約を検討するのも一つの選択肢です。実際に給付を受けられる内容かを見直し、費用対効果を意識しましょう。


6. 臨時支出への備えと日々の家計管理で生活を守る

老後に起こりがちな臨時支出には以下のようなものがあります。

  • 家電の故障・買い替え

  • 冠婚葬祭

  • 医療費や通院費

  • 車の維持費(車検・保険・修理)

  • 子どもの帰省や孫との交流費

こうした費用に備えるため、生活費の3〜6ヶ月分の「予備費」を用意しておくと安心です。

また、家計管理の基本は予算の設定とルール化です。月単位よりも、週単位での予算管理が効果的です。週ごとの生活費を封筒やアプリで仕分けし、使いすぎを防止しましょう。


最後に:60代からの準備が未来の自分を守る

60代からのお金の使い方を見直すことは、これからの人生を豊かに、安心して過ごすための土台づくりです。資産の整理、収入の見直し、支出の最適化、将来への備えを総合的に進めることで、安定したセカンドライフが実現できます。

不安を減らし、自分らしい老後を築くために、家族との対話や専門家への相談も積極的に取り入れながら、計画的に行動していきましょう。

 

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