医療費・介護費はいくらかかるのか知っておきたいシミュレーション

医療費・介護費はいくらかかるのか知っておきたいシミュレーション 備え
医療費・介護費はいくらかかるのか知っておきたいシミュレーション

老後の生活を考えるとき、避けては通れないのが健康や介護の問題です。毎日の食費や住居費だけでなく、予期せぬ体調不良や介護が必要になったときに「一体いくらお金がかかるのか」という不安を抱えている方は少なくありません。

日本の公的制度は充実していますが、それでも自己負担が発生する部分はあります。今回は、最新のデータをもとに老後の医療費と介護費の目安を整理し、自分らしい老後を送るための備えについて詳しく解説します。

老後に必要な医療費の総額と一生涯にかかるお金のリアリティ

日本人の生涯医療費は、平均して約2,800万円前後と推計されています。驚くべきことに、その総額の約6割にあたる1,600万円前後が65歳以降の高齢期に集中しています。

もちろん、この1,600万円すべてを自分自身のポケットから支払うわけではありません。日本の公的医療保険制度によって、多くの部分がカバーされます。しかし、残りの自己負担分をどのように準備しておくかが、老後の安心感を左右する重要なポイントになります。

窓口負担の変化と月々の医療費支出の目安

医療機関を受診した際の窓口負担割合は、年齢や所得に応じて段階的に変わります。現役並みの所得がある場合を除き、70歳から74歳までは原則2割、75歳以上になると原則1割負担となります。

平均的なデータで見ると、高齢者1人あたりの年間の医療費自己負担額は約6万円から7万円程度です。月額に換算すると5,800円から7,500円ほどになり、意外と少ないと感じるかもしれません。しかし、これはあくまで平均値です。持病の有無や通院回数、入院の必要性によっては、この金額を大きく上回る月が出てくることも想定しておく必要があります。

介護が必要になったときに発生する初期費用と月々のランニングコスト

介護は、ある日突然始まることもあります。介護保険制度を利用する場合でも、自己負担は発生します。介護にかかる費用は、大きく分けて「一時的な初期費用」と「月々の継続費用」の2種類があります。

まず、介護を始めるための準備として、介護ベッドの購入や住宅のバリアフリー改修などに、平均で約47万円から74万円ほどの一時費用がかかります。さらに、介護が始まってからの月々の費用は平均して9万円前後です。この月額費用は、在宅で介護を受ける場合は5万円から6万円程度ですが、施設に入所する場合は13万円から14万円程度と、環境によって大きく変動することを覚えておきましょう。

平均的な介護期間から算出する介護費用の総額目安

介護が必要な期間は、平均して4年半から5年程度といわれています。この期間をもとに総額を試算すると、初期費用と月々の支払いを合わせて、約540万円から580万円程度が平均的な目安となります。

しかし、介護の状態や期間には個人差が非常に大きいです。10年以上にわたって介護が必要になるケースもあれば、より高度な医療ケアが必要な施設を選ぶことで費用が膨らむこともあります。平均値はあくまで「最低限の目安」として捉え、余裕を持った計画を立てることが推奨されます。

公的負担軽減制度を活用してもしもの支出を抑える知恵

高額な医療費や介護費が発生した際に、私たちを助けてくれるのが公的な軽減制度です。「高額療養費制度」を利用すれば、1ヶ月の支払いが一定額を超えた場合に、超過分が払い戻されます。

また、介護保険においても所得に応じて自己負担割合が調整される仕組みがあり、多くの方は1割負担でサービスを受けることができます。これらの制度を正しく理解し、自治体の窓口などで相談できる体制を知っておくだけでも、精神的な不安は大きく軽減されるはずです。

生活費全体と合わせて考える老後のマネープラン

医療費や介護費は、単独で存在するわけではなく、日々の生活費の中に組み込まれます。高齢者世帯の基礎的な生活費は、60代で月約33万円、70代以降で20万円から26万円前後という調査もあります。

年金だけですべての支出を賄うのが難しい場合は、早いうちから貯蓄や資産運用で「医療・介護専用の予備費」を作っておくことが大切です。健康なうちから将来の「もしも」を数字で具体的に捉え、少しずつ準備を進めることで、穏やかで安心できる老後を迎えることができるでしょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました